情報世界の新世界創造 第一章 第8話 『完璧に分かった』
「火の精霊をレベル3にして、水の精霊をレベル2にして、ガチャを引いて」
「手際が良いわね」
「そうだろう、もう俺にもやり方が完璧に分かったぞ」
「そう・・・」
「どうした?」
「何でもないわ」
「そうか、じゃあガチャの結果は何かな~♪」
「どうだったの?」
「どうだった?」
「私が聞いたのよ」
「いや、俺に聞かれても・・・俺は何も見えないし」
「やり方が完璧に分かったって言ったじゃない」
「それとこれとは別だ、ガチャのやり方は分かっても結果を見る力は俺にはない」
「はあ・・・いいわ。結果は私が見てあげる」
「頼むよ」
・・・
・・・
「良かったわね、大当たりよ」
「おお!何がでたんだ?」
・・・
・・・
「1回押したら2石貰えるわ、そして10秒に1回自動でボタンが押される機能付きよ」
「おおお!そりゃすごい」
「これでもうボタンを押さなくていいわ、私ともっとおしゃべりしましょう♪」
「確かにもう押さなくてもかなり石が貯まりそうだな、でも押せばもっと早く貯まるぞ」
「いいのよ、とにかく私とおしゃべりしましょう。ボタンを押すのなんてどうでもいいじゃない」
「良くないよ、俺は早くサラの姿が見たい」
「それもいいけど、私と
「分かったよ」
「ありがとう!レイ」
「また何か話したいことがあるのか?」
「レイの好きな物って何?」
「俺の好きな物?」
「そう、レイの好きなものを教えて」
「俺が好きなのは、サラダ!」
「し、知ってるわよ、他にないの?」
「へー、知ってたのかー」
「そうよ、知ってたわ。他には?」
「あえて追及するのはやめてあげよう。他に俺が好きなのはゲームだな」
「やっぱりね」
「あれ?これも知ってたのか?」
「うすうす感づいていたわ。私も嫌いじゃないわよ」
「サラはどんなゲームが好きなんだ?」
「秘密よ」
「なんでだよ」
「秘密って素敵だと思わない?」
「そうかなぁ?」
「人は分からないことに興味を惹かれるのよ。ちなみに、レイの好きなジャンルは知ってるわよ」
「なぜだ!?」
「秘密よ、レイが好きなのは単純なゲームね。ボタンを押したり、敵と何度も戦ってレベルを上げたりするの。レイはそうやって数値が増えていく、偽りの強くなる実感があることに喜びを感じるタイプだわ」
「サラってエスパーなのか!?・・・そういえば前にやろうと思えば俺の思ったことも覗けるって言ってたな」
「レイが分かりやすいだけよ。レイの考えなんて覗くまでもなく手に取るように分かるわ」
「そんな・・・俺のプライバシーはどこに・・・」
「冗談よ」
「冗談になってねーよ!」
「ふふっ」
「何かおかしかったか?」
「いえ、ごめんなさい、ただこうしていることが楽しくて」
「良く分からないな」
「それでいいのよ。分からないことに悩みなさい、考えなさい。確かに成長しているわ、レイも、私も。この調子なら世界を見る日も近いかもしれないわね」
「おう!任せとけ、すぐに世界を、そしてサラを見る!」