オールドニュース『バニラ・エア問題』


面白いニュースがありました。

この記事について意見したいことがたくさんあります。
まずはこちらを読んでください。

 

元ニュースサイト

 

なぜ声をあげた障害者がバッシングを受けるのか?バニラ・エア問題、本当の争点はどこにある

 

バニラ・エアに声をあげた障害者に「クレーマー」、広がるバッシングに疑問の声 (BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース

 

問題提起者:木島さんの記事

バニラ航空、奄美路線での搭乗拒否「階段昇降のできない人は乗れません」

 


論点がたくさんあって面白いですね。


1.論点


まずはどんな論点があるか挙げてそれぞれに対して私の意見をまとめていきます。

 


①悪いのはバニラ・エアか、木島さんか

 

これは他の論点を潰していけば解決します。

 

この点について考える時注意しておかないといけないのは、どちらかだけが悪いと結論付ける必要はないということです。

 

この部分はこちらが悪い、あの部分はあちらが悪い。論点毎に分けるべきです。


②バニラ・エアが、車いすの乗客に自力でタラップを上がらせる対応をとり、謝罪した問題。

 

元記事冒頭で紹介されたこの問題ですが、この問題提起自体にミスリードがあるのでまず訂正しないといけません。

「車いすの乗客に自力でタラップを上がらせる対応をとり」

 

これやらせたって書いてますが、実際は本人の意思でやったことですからね。

木島さんの書いた原文はこちら

「同行者のお手伝いのもと、階段昇降をできるなら」という条件で、ようやく搭乗が認められる。

搭乗タラップの前、同行者が車いすを持ちあげて乗ろうとしたら、ダメ!と静止。
仕方ないので、階段に座って、一段一段、這って登ろうとすると、それもダメだと言ってくる。
無視して上っていくしかない。でないと大阪へ戻れない。

 
ダメといわれた後どうしたらいいか聞くことなく自分の意志で行動しています。

 

 

③ストレッチャーを取り入れるべきか?

これは木島さんはそこまでやらなくてもいいって言ってますね。

バニラ航空は、格安航空LCCで、とても値段が安いのは、素晴らしいと思いますが、一方で面倒な客を乗せない。
できる範囲で、合理的配慮をするべきです。
歩けないことを理由に搭乗拒否をするのは、障害者差別禁止法に違反します。

国交省、鹿児島県、新聞社などに、この状況を報告しました。
設備をつけろ!とはいいません。できる範囲で配慮をする。搭乗を断るのだけは止めて欲しいです。

 

広まる過程で情報に尾ひれがついてます。

 

もともと7月に導入予定だったストレッチャーが木島さんの主張をうけて、6月導入に前倒しになったというのが元情報のようです。

 


ちなみに、この要求の根拠は障害者差別解消法

障害がある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること。

 
負担が重すぎない範囲で対応することとあります。


負担が重すぎるかどうかによって対応変わるので一概にどうするべきとは言えませんよね。
明確なラインが無いので、私はどうするのが良いかについては口を挟みません。

ですがこれは、ストレッチャーが導入されたので円満に解決した事として良いでしょう。
問題提起するまでもなく、元から導入予定だったらしいですけどね。

 

④木島さんの問題提起のやり方は正しかったのか?


元ニュースの記事ではこんなことを書いています。

「私は今回の木島さんの行動は勇気あるものだったと思います。なんで声をあげた当事者に批判が集まるのかまったくわかりません」

「そもそもバニラ・エアが、障害者差別解消法に定められた合理的配慮をしていなかったこと。これが最大の問題です。声をあげた当事者に向かってバッシングがいくのはおかしい」

声をあげた当事者へのバッシングでは、本当の問題は見えてこない。

 
ちょっとこれには賛同できませんね。
本当の問題がどれか。「本当の争点はどこにある」なんてタイトルにもついてますが、それはただの記者やインタビューを受けた匿名女性の感想でしょう。

 

全ての論点が本当の争点でも問題ないはずです。

切り取ったら「自分に都合の良い話しかしない」と言われて話を聞いてもらえなくなるだけです。

問題提起のやり方に問題があればそれ「も」非難されるのは当然のこと。


木島さんの問題提起のやり方には明らかに問題があります。

 

事前連絡が必要と知りながらあえて連絡せずに予約したこと。

 

さらに静止を聞かず無理矢理搭乗するという行動を起こしたのですから。

 

しかも先ほど言った通り、バニラ・エアに問題があるという主張に疑問が残ります。

 

それも問題提起のやり方に問題があるせいで大きな疑問になります。

 

事前連絡さえしておけば準備できて問題が起こらなかったのでは?ということです。

 

 

2.障碍者がかわいそう


これは2つの意味に取れる面白い言葉です。

①木島さんという障碍者が迫害されてる、かわいそうだ。

私は木島さんの問題提起のやり方のほうが問題が大きいと思っているので賛同できませんが、まあこういう主張をする人もいるでしょう。

 


②木島さんと一緒にされる障碍者がかわいそうだ。

木島さんが間違ったやり方で声を上げ、自分は障碍者だと主張することで、正しいやりかたで改善しようと頑張っている障碍者までまとめて「これだから障碍者は・・・」なんて言われるのは避けたいところです。



3.真に非難されるべきはニュースの伝え方。

そもそもニュースが大きくなった原因の大部分は木島さんの主張のみを肯定する形で掲載し、逆の立場の意見を無視した伝え方に問題があったからです。


両方の立場から中立的な記事であればそれほど問題にはならなかったでしょう。

 

このような伝え方をするニュースには非難の声を上げていかなければいけません。